糸杉と鬼灯

眇眇四方山話

鬱と食事

 鬱になると食欲は減退する。

それが抑鬱状態だろうと、精神病としての鬱病だろうと同じである。

所詮は主観的で狭隘な経験や書物・ネットで得た知識であるが。実際、ストレス性の過食症もあるし、やけ食いもある。

必ずしも鬱状態=食欲減退という訳でもない。

  

DSM-5によれば鬱病の症状は以下の通りである。

 

以下の症状のうち5つ (またはそれ以上) が同一の2週間に存在し、病前の機能からの変化を起している; これらの症状のうち少なくとも1つは、1 抑うつ気分または 2 興味または喜びの喪失である。 注: 明らかに身体疾患による症状は含まない。

 

1. その人自身の明言 (例えば、悲しみまたは、空虚感を感じる) か、他者の観察 (例えば、涙を流しているように見える) によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。注: 小児や青年ではいらいらした気分もありうる。

2. ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味、喜びの著しい減退 (その人の言明、または観察によって示される)。

3. 食事療法中ではない著しい体重減少、あるいは体重増加 (例えば、1ヶ月に5%以上の体重変化)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。 (注: 小児の場合、期待される体重増加が見られないことも考慮せよ)

4. ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。

5. ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止 (ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚ではなく、他者によって観察可能なもの)。

6. ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退。

7. 無価値観、または過剰あるいは不適切な罪責感 (妄想的であることもある) がほとんど毎日存在(単に自分をとがめる気持ちや、病気になったことに対する罪の意識ではない)。

8. 思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日存在 (その人自身の言明、あるいは他者による観察による)。

9. 死についての反復思考 (死の恐怖だけではない)、特別な計画はない反復的な自殺念慮、自殺企図、または自殺するためのはっきりとした計画。

 

日本精神神経学会 訳)

 

 私自身は、鬱病ではない、と思う。ネット上にある自己診断をすると大概、鬱病の可能性が高いので受診をお勧めします、とされるが。鬱病の症状的には、食欲の減退、或いは増進もある。しかし元来小食なので良く分からない。甘味や喫茶は好きではあるが、余り食事に興味はない。なので大した食事は摂っていないが珍しい事でもない、と思っている。

 詰まるところ、鬱になると普通?の人がどんな食事をするのか良く知らない。そして、こんな記事を読んだ。

 

karapaia.com

 

 何処まで本当で何処からネタなのか。嘘を嘘と見抜けないので難しい。全部本当なら、鬱病かも?なんて疑うのもおこがましいかもしれない。殻付落花生シリアル風は理解の範疇外である。

 

 偏ってはいるが、一部を除くとそこまで「鬱」ならでは、という感じはしない。経験的には、気が沈んでいると買出しは行けない。準備・調理どころか食事すら行う気力が湧かない。気力や体力を振り絞り、そして機を得て摂取するものである。当然、簡単なものとなる。スライスチーズのせた生食パンとか冷蔵庫から出した冷たいソーセージとか麺つゆかけた豆腐とか。レンジに入れる気力も無い。

 あと夏なら氷を貪るのもいい。尚、氷食症は器質的には鉄分不足を原因とするが、精神疾患とも言われており、発症の原因は判然としない。

 

 ソーストーストとかニンジンドッグとか生クリームシリアルとかで鬱状態の食事なら自分も鬱かもしれない。

 希死念慮や無価値感・無気力感はあるが、仕事であれば一応体は動かせる。不眠では無いし体重は恐らく変わっていない。

 睡眠に関しては寧ろ過眠傾向である。休日ならばぐだぐだと15時間くらい、下手をすると20時間近く眠る。しかし過眠ではあるが就業に困難なほどではない。抑鬱状態ではあるが鬱病と言うほど状態は酷くない気がする。精神科を受診すればはっきりするが、そんな時間的経済的余裕は無い。と言うか、通院する時間があるなら寝ていたい。引き篭もっていたい。何を好き好んで休日に他人に会わないといけないのか。

 さっくりと死ぬなら栄養失調も構わないが、そうもいかない。日常生活に支障をきたす肉体的困難はこれ以上いらないので意識的に摂取するようにしてはいる。希死念慮や無気力感とも長い付き合いだが、鬱病になりたい訳ではないのだ。

 実際、食事と精神状態には密接に関係している、単純に美味しい物を食べれば気分は上向くし、不味い物を食べれば気分は下向く。

 味覚が精神に影響を及ぼすのとは別に、器質的にも影響を及ぼす。各種栄養素が肉体やら体内分泌物を作るのであれば、それが精神に影響を及ぼすのは当然である。

 

 一般的に鬱病セロトニンが不足する事が原因とされている。セロトニン必須アミノ酸であるトリプトファンを基にして生成される。トリプファンが多く含有される食品は鶏卵(卵白)、ニシン、大豆などである(文部科学省食品成分データベース)。

とはいえ、100g中の含有量が基準であり栄養素を選択的に摂取できるわけではない。また炭水化物が吸収率を上げ、ビタミンB群や鉄分、カルシウムが生成を助けるらしい。食事としての摂取を考えると現実的なのは、米や小麦の主食に牛や豚の赤身肉やレバー、チーズ、青魚、大豆製品だろうか。

結局の所、バランスの良い食事である。

 

 それが用意出来る状態なら鬱状態ではないし、鬱状態ならそんな食事は不可能である。食事を用意してくれる家族がいれば別かもしれないが、残念ながら私は家族と過ごすのもストレスである。

世の中何かしら我慢が必要と言う事だろうか。社交を好む人間と、好まない人間では人生の難易度は非常に異なる。

 

アイスキューブサンドイッチを食すのがお似合いと言う事だろうか。